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糖質を摂り過ぎると太ってしまうメカニズム その2

代表の関です!
普段のトレーニングは出来るだけ専門用語を避け、お客様に分かりやすくお伝えしているのですが、コラムでは専門用語を交えながら、体づくりに役立つ情報をお伝えしていきます!
以前までの記事は以下のURLからご確認ください!
https://www.urfit.jp/blog/categories/column
なぜ、糖質を摂り過ぎると太ってしまうのか…感覚的にわかっている方は多いと思いますが、今回は身体の仕組みについて解説すると共に、糖類にはグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)というのがあり、そのうちのフルクトースについて解説します!
フルクトースの特徴は、糖の中でも最も甘く、砂糖(スクロース)の甘みを1.0とした時、グルコースの甘みは0.75であるのに対して、フルクトースの甘みは1.7とグルコースの倍以上であり、自然界で最も甘い糖といわれいます。
フルクトースを多く含む砂糖入りの食品や飲料を習慣的に摂取すると、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLDや動脈硬化、脂質異常症などのメタボリックシンドロームを引き起こすことが示唆されています。
フルクトースはグルコースと同じように小腸で吸収され、そのまま肝臓に送られるというのがこれまでの通説でしたが、2018年に行われた研究報告により小腸でグルコースに変換されて肝臓に運ばれることが示唆されています。
グルコースの変換には小腸にあるケトヘキソキナーゼ(Khk)が関与していますが、この処理には限界があることがわかっています。多量のフルクトースを摂取するとグルコースに変換する処理が間に合わず、そのままの形で肝臓に送られてしまいます。
肝臓に送られたフルクトースは一部がグリコーゲンに合成されますが、そのほとんどがトリアシルグリセロールに合成されて脂肪として肝臓内に貯蔵されます。しかし、その全てを肝臓で貯蔵できないため、合成された脂肪を血液中に放出しようとしますが、脂肪は血液に溶けないのでそのままの形では放出できません。そこで、トリアシルグリセロールをコレステロールと一緒に超低密度リポタンパク質(VLDL)という形にして血液中に放出します。
放出されたVLDLの一部は筋肉に取り込まれますが、そのほとんどが脂肪細胞に取り込まれます。脂肪組織に取り込まれると、含まれているトリアシルグリセロールによって脂肪細胞が肥大します。特に、非アルコール性脂肪肝疾患がベースにあると、肝臓でのトリアシルグリセロールの合成が促進され、多くのVLDLが放出されて、脂肪組織に取り込まれ、更に太りやすくなってしまいます。
また、フルクトースは「食欲を高めてしまう」作用を持っており、グルコースと脳への作用を比較して、解説します。
まず、グルコースを摂取すると、食欲抑制ホルモン(GLPー1、GIP、PYY)の分泌を高めて、食欲促進ホルモン(グレリン)の分泌を減少させます。分泌された食欲抑制ホルモンは、受容体である脳の視床下部にある弓状核に作用して満腹感を高め、食欲にブレーキがかかります。
一方、フルクトースを摂取すると、食欲抑制ホルモンの分泌を抑えて、食欲促進ホルモンの分泌を高めます。グレリンが視床下部の弓状核に作用すると満腹感が低下するだけでなく、快楽報酬が増加して、食欲を高めてしまいます。いわゆる「糖質中毒(果糖中毒)」ともいわれ、フルクトースが中毒性をもたらすと示唆されています。
また、多量のフルクトースが肝臓へ送られると、脂肪合成を高めてVLDLを放出することにより、全身の脂肪組織を肥大させます。
つまり「フルクトースを摂る」→「もっと食べたくなる」→「脂肪細胞を肥大させる」、この悪循環こそが、フルクトースが「太りやすい糖」といわれる理由になります。
いかがでしたか!?
ボディメイクを行う方は、何をどれくらい食べれば自分の体が変化するのかというのを見極める必要があります。僕の場合、仕事の日は朝昼で糖質を摂取し、夜はできる限り制限し、タンパク質や野菜を中心に摂取するようにしています。その分、休みの日は食事内容は気にせず好きなように食べるという生活を送っているのですが、ここ2年くらいほとんど見た目の変化(脂肪がついた感じ)はありません。
ただ、僕と同じ食事内容にしたからといって、生活習慣が違うので、同じような体になることはありません。自分にあった食生活を見つけ、そこに運動習慣を身に付けることが重要です!
参考:科学的に正しいダイエット、庵野拓将